陰鬱

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日常

今日は久々に遠出をした。コロナが殆ど収まったものだから、秋葉原と浅草をぶらぶらした。

気づけば、夜になっていた。浅草の古き小物屋さんや、お菓子屋さんは全てシャッターを閉じていたが、飲み屋は大盛況だった。大勢の人間が、家族や同僚や友達と笑顔で飲み交わしている。僕には異世界のように映ったが、なんだか人情といいますか、もう何ヶ月も目にすることのなかった温かい何かを感じた。

帰りの電車は、それほど人が多くなかった。乗客は疎らで、程よい距離感が保たれている。長い間歩いたものだから、疲れてじーっと暗闇の車窓を凝視する。都会の光輝くビルや建物群、うっすらと見える星々に、一点の光を放つ飛行機。そういった何気ない風景が新鮮に思える。何気ないものに、どこか幸せを感じた。

バイトは辛いが、僕を孫だと言ってくれるおじちゃんおばちゃん達がいる。仕事を終えた後の、まだ午前中に切り上げて、照りつく太陽の光を浴びて、颯爽と自転車を漕ぐ帰り道。なんだか気持ちいい。帰ってぐだーっとするのも気持ちいい。家に帰れば、信頼できる母親がいる。そして、可愛い猫がいる。猫と一緒に寝ることにも、幸せは潜んでいる。たまに、大学の友人と遊びに行ったり、カラオケに行って、たまにはレポート課題に頭を使って、たまには本を読んで。決して充実してるとは言えないけど、そんな日常もなんだか好きだし、僕はこんな日常を不満を漏らしながらも、愛し生きていた。君が僕の元から離れていって、蘇ってきたものもあった。


けれど、僕は君がやはり必要なのだと思う。君は太陽だった。孤独や不安に苛まれた時、愛と癒しをくれたのは君だった。君からどれほどの活力を得たか計り知れない。僕の何気ない日常に、彩りと刺激を与えてくれたのはまさしく君だった。そんな君を幸せにすることをずっと考えてた。そして、何気ない日常に目も暮れず、これまでずっと君のことを考えてきた。

君は月だった。僕を何度も突き放したり、愛に我を失う僕を冷静にさせてくれたのも君だった。君は、あらゆる悩みや想い出話を聞かせてくれた。その度に、僕は君の幸せを祈った。


太陽と月が僕の中から隠れてしまい、僕は今途方に暮れている。僕は君ほど照らしつける太陽と、君ほど光輝く月を知らない。たとえ、僕に新たな太陽と月が訪れても、一生忘れることのないかけがえのない存在であることに変わりはない。

君と出会う前の日常が戻ってくる。されど、君のことは一生忘れないだろう。なによりも、君を幸せにできなかった、君を納得させられなかったことに後悔を感じる。たった1人を納得させられないで、僕は今後出会う人々を救うことができるのか。このまま何不自由なく進路を進んで、僕がカウンセラーとしての職務を担うことになっても、きっと君という存在はぼくの記憶の中で生き続けるだろう。どうしたら、よかったのだろうか、と。そして、君と関わった半年間は無駄ではなかった。君と同じように悩める人々をどう救えるのか、どこまでその人を信じ続けられるのか。そんなことを考える糧になるだろう。

今君に望むことは、ただ生きていて欲しい、それだけです。君を幸せにすることもできなかった。それだけで僕は悔やみ切れないのに、君がもしこの世から居なくなってしまったら、どんなにやるせないだろう。君にとって、僕は塵のような存在かもしれないが、僕は君ほどかけがえのない人はいない。親の次に大事だろう。人生も出会いも儚い。けれども、僕は君を想い続ける。君が生きていてくれるだけで、どれほど私の住むこの地球が愛おしいものになるだろうか。薬やお酒に溺れ、慢性自殺のような状態になっているのかもしれないけど、そのような状況から救ってくれる人がいるならば、僕はその人に頼みたい。もう幸せになれとも言わない、ただ生きていて欲しいと思った。なにか思いを馳せた時、先ほどの電車に一人乗ってた時でもいい、そんな時に、君が生きているという事実だけが、僕を励まし慰めてくれるのです。そして、不器用ながらに君を一番大切に思っている人がいることをどうか覚えておいてあげてください。

余談

郷に入っては郷に従え、なんて言葉がありますように、あなたは芸術的な人間たちに惹かれていくみたいですね。でも、決して自分がそれほど創作に勤しまないからといって、無理にする必要はない。芸術とは自由なものだから、好きな時に絵を描けばいい。無理に彼らと合わせる必要はない。そもそも、常日頃芸術に身を捧げているような芸術ばか(良い意味で言えばプロフェッショナル)に自分が同化すれば、逆に関係が続けづらいような気がする。ゴッホとゴーガンがよく喧嘩したように。芸術家なんてプライドが高いのだから。それよりも、あなたは外面内面共に美しく、魅力的なのだから、何も心配いらない。君から創作を差し引いたところで、あなたの豊かな感受性は文章等で伝わってくるのだから、なにも心配いらないでしょう。君の魅力は、創作以外にも沢山ある。