受容

やはり、プライドこそ、諸悪の根源はない。プライドあるが故に、人は自分の意見を曲げず、プライドあるが故に、考えを押し付け、人を従わせる。苦しめる。

その人は、あなたを思う通りの人間に仕立て上げるがために、作話をして、あなたを支配しようとしたのかもしれない。あなたよりも、自分の確固たる意見を重視したのかもしれない。しかし、それでは相手の考えを蔑ろにした、独りよがりに過ぎないだろう。

しかし、僕はその人を盲目的に批判することはできない。なぜなら、僕は過去何回も、自分の独りよがりな考えで、あなたを傷つけてきたと思う。僕は、毎日が後悔の連続なのです。けれども、僕は少しでも、成長してきたと思う。

僕はあなたが好きだから、本気で向き合いたいから、色々否定するようなことを言ったし、言い合いになってしまった。けれども、本当にめいちゃんが好きなら、僕はあなたの意見を否定する意義は全くないことに気付かされた。正しい、間違い、そんなことは何の関係もない。ただ、あなたの考え方とか意見とか、もっと拡大解釈すれば、あなたの世界観を僕は尊重するべきなのです。そもそも、数学のように解が定まっているとは限らない、日常のあらゆる事象について、本当に正しいことなんて、いくつあるのだろう。そんな不安定な世界の中で、なぜ人は自分のプライドを大切にして、相手を受け入れられないのだろう。。僕は、めいちゃんと長い間関わって、ようやく分かってきたような気がするのです。

きっとあなたがその人の言葉を一年に続いて覚えていたように、僕があなたを傷つけてしまった言葉も、あなたは恒久的に覚えていると思う。悔やんでも悔やみ切れないです。本当にごめんなさい。許さなくたっていいって言いたいけれど、あなたは如何なる人をも許す優しい人間です。許していかないと、生きていけないと言っていましたね。いつまでも、僕の悪行を憎んでくれて構わない。いつか、許してやっていいと思ったら、どうか僕を許してあげてください。

僕は色々と不器用で、それほど魅力のない人間かもしれない。でも、他の人ができないこと、要するに、あなたの考えや世界観を尊重すること。慈愛の精神を以て、めいちゃんと対等に関わり合いたいと思う。これだけは、譲りたくないと思う。

めいちゃんは決して甘えてなんかない。病者なんかじゃない。色々な辛い思いをしながらも、あなたは自分の心を大切に守りながら、一歩一歩頑張ってきたはずだから。その過程で、色々な苦労や迷惑をかけたこともあるかもしれない。僕もある。けれども、あなたが18年間生きてこれたことは、本当に素晴らしいことだと思う。本当なら、短き生涯を終えていてもおかしくないのに、ただ生きているという事実が、あなたが甘えてなんかない証拠なのです。

それに、病気なんてただの分類に過ぎない。そもそも、人には色々な人がいて然りではないか。精神病なんて、勝手にアメリカ精神医学会と世界保健機関が線引きしてる、“分類”に過ぎない。色々な性格の人間が共存している地球で、なぜその人にレッテルを貼る必要があろうか。みんな違ってみんないいのだ。僕は病気という枠組みを超えて、1人の人間として、接したい。病者として、逸脱者として、他人から関われるときの、屈辱というものを僕は知っている。