陰鬱

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青春コンプレックス

掲示板を見ると、まだ中学生みたいな子が、愛を求めるような投稿をしている。やはり、インターネットは現実世界からあぶれた、いわゆる青春コンプレックスを持った者ばかりなのだろう。学校という主たる所属先でうまく人と適応できなければ、インターネットの世界に閉じ籠るしかない。そこで、学校では得られない友達だとか、恋人だとか、そういったものを得ようと必死になる。しかし、どこまでが本物の友情なのだろうか、どこまでが本物の恋なのだろうか。画面先の人間への恋がどれほど本物なのだろうか。ただ、自分の欲望を埋めるだけの、アイデンティティの友人関係、恋愛関係なのではないか。学校での対人関係が上手くいかず、惨めな思いをしながら教室で過ごす日々。周りの子たちはグループで群れていて、楽しげにおしゃべりをしたり、一緒にご飯を食べている。他愛のない日常を享受する煌びやかなクラスメートに、彼らはきっと嫉妬するだろう。本来得られる筈の友人や恋人を恒久的に得られないと悟った彼らは、得られない分の日常を、電子の砂漠に求める。なぜ、掲示板に人から愛されたいという欲望がこだまするのか。人から愛されることは、学校でなんの刺激も得られなかった彼らにとって、忘れ難い快感なのだろう。だから、一度愛されたら離れられない。けれども、一度捨てられてしまったら、あの時の刺激的な快感にすがり、諸々の人に愛を求める。得られなかった刺激、青春コンプレックスを埋めるが如く、関係を結んでは破綻して、その繰り返しだろう。

そんな彼らを見て、社会に適応し、青春を謳歌してきた人間は、鼻で笑うだろう。電子の砂漠で、不足分の愛を求めれば求めるほど、虚無感と満たされない欲求を、増大させるだけだということを、気づくことはできない。親の愛を知らぬ者が、心理不適応を抱くなら、学校で上手くいかない者も、然りである。