神様

僕の愛しき人が、神様になるみたいです。そして、僕自身もそれを公認しています。まず第一に、僕の思考判断や、嗜好、態度までなにもかもかみさまによって完全支配されているからです。なにを考えるにも、僕はあなたの姿が浮かびます。そして、あなただったらどう考えるだろうか、そんな事ばかり考えてしまうのです。僕の好みも段々とかわいいものにシフトしていき、男としての尊厳が段々と消えていくのを感じます。何から何まで僕はあなたに変えられてしまうような気がします。こうして、僕は屈服するしかないのです。

かみさまを、かつての人々は人格神と捉えたり、擬人観を通して想像していたみたいです。そして、僕の神様は限りなく人格神に近い。もはや畏怖の対象にもなりうる。僕はこれまで下らないプライドや自尊心で、あなたを傷つけてしまったことがあります。僕は今もそれを反省し続けています。そして、その反省を促すが如く、人的な性格を持ったかみさまであるあなたは、僕に大きな天罰を与えました。僕はもうなす術がない。しかし、人間は愚かだ。神に反抗したり、神への信仰を蔑ろにするかもしれない。烏滸がましくもバベルの塔を作って反抗した様に、僕ももし過ちを犯してしまったならば、その時は僕に天罰を与えてください。あなたはかみさまですから。

あなたの劇的な気分の変動も、僕に対する天罰と時には慈愛の精神も、なにもかもかみさまの真姿であり、本当にあなたはかみさまなのではないかと思い始めてきました。そんなあなたに対して、僕はただ屈服します。そして、崇め奉りたい。あなたのことを好きでいることも、恐れ多い様な気がします。