あなたは一体何者か

僕はあなたが好きです。この“あなた”は厳密に何を指しているのかを定義しますと、現時点ではあなたに対する虚像に過ぎないでしょう。要するに、僕の妄想の中のあなたなのです。だから、あなたの言っていることは完全に正しいでしょう。

しかしながら、僕は妄想という哀れな手段でしか、あなたと関係を結ぶことができないみたいです。あなたと会うこともできない以上、ぼくはあなたの外見も習慣も仕草もなにもかも妄想に委ねるしかありません。過去のラインや通話に散りばめられたあなたの実像を作り出す一つ一つのピースで、あなたという実存在を作り出そうとしても、決して完璧な実像を作り出すことはできない。未完成に終わってしまう、限界があるみたいです。だから、僕はあなたという実存在と関係を結んで、虚しさを埋めることはできないみたいです。。やはり、現実で初めてあなたは虚しさを埋めることができるでしょう。

ただ、僕はあなたの実存在が作れないならば、せめてあなたの本質（内面）と言いますか、それに本気で向かい合ってみました。物理的にあなたと一緒にいられないなら、物理的空間的距離を飛び越えて、あなたと精神的に向き合うとしました。それがあなたの実存在を作り出せない僕の葛藤へのせめてもの慰めであります。あなたがどういうことで悩んでいて、どういう考え方をして、どういう生き方がしたくて。そういった諸々のあなたの精神的活動を僕は眺めて、それを手に取って、僕なりに考えてきました。しかし、それもあなたが違うと思えば、僕の妄想に過ぎないもので終わってしまいます。また、どれほど僕があなたに好意と優しさを以て接することが、あなたの良心と信用と精神的安定を引き出せるのか頑張ってみました。けれども、あなたへの好意が邪魔になって、大きく傷つけてしまったことを反省しなければなりません。ごめんなさい。でも、やはり、あなたの実存在を知ることができないから、せめてあなたの本質（内面）を知ろうと試みた僕の非力な努力を、暇な時にでも、思いを馳せてみてください。たぶん、僕が今この世で一番、あなたの本質（内面）を理解していると思います。それはたったの1%に過ぎなかったとしても。

そして、あなたの虚しさを埋められないことに、もう一度ごめんなさいをしたいです。

僕はほんとにあなたのことが好きなのです。そうでなければ、4ヶ月もあなたと関わることはなかったですし、自傷だってしないし、あなたの誕生日だって覚える必要はないでしょう。あなたは僕を（或いは色々な人を）客観的に見て、好きではないと判断したのでしょう。そう思われて当然だと思います。でも、僕は好きです。もちろん、あなたは僕ではないですから、僕の本心はわからないと思います。でも、僕の本心は心からあなたのことを好きだと言っているのです。信じなくても構いませんが、僕は信じて欲しいと思います。

少し前ですけど、僕はいずれ消えるとか言ってましたね。でも、あんな言葉撤回します。ほんとにあなたのことが好きなら、無責任に消えることなんてしません。何があっても、僕はあなたが死ぬまで消えることはないから、安心してください。