陰鬱

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イオンという名の人生の墓場

みんな大好きイオン。言わずと知れたショッピングモールである。しかし、その中には社会の縮図が隠されている。

イオンのあちこちに設置されているソファや、ゲームセンターのコインゲームコーナーには必ずお年寄りが存在している。そして、彼らは総じて一人ぼっちである。

彼らにはたんまりと年金が支給されている筈だから、お金には困っていないだろう。しかし、経済的に困窮していなくても、精神的には本当に豊かなのだろうか。

机の上にワンカップ大関数独の雑誌を置いていたり、ぐーたら寝ていたり、何の意味もないコインを手に入れるために貪るようにゲームにのめり込む彼らの姿には、どこか取り返しのつかないような哀愁を感じる。

彼らは果たして既婚者なのか独身なのか定かではないが、どっちみち社会から引退し、孤立して、漂流する中で行き着いたのがイオンなのだろう。そして、いつか身体が効かなくなるまで、イオンというお城の中で、残り僅かな時間を浪費してゆくのだ。

僕は、それを哀れに思うのだが、この歳で一人孤独に過ごして、寂しさを和らげるためにイオンに通い詰める私の成れの果ての姿が、彼らなのではないか。そう思うと、彼らの存在を僕は他人事とは決して思えない。

といっても、これは僕の妄想に過ぎない。イオンで時間を過ごすのが彼らにとって最善の幸せなのかもしれないからだ。物は捉えようだ。ただ、僕はイオンの囚われの身になって、余生を終えるのはあまりにも辛い。ともかく、イオンは私や彼らのような孤独者を包み込んでくれる素晴らしいショッピングモールだということは主張しておきたい。ありがとう、イオン、フォーエバー。イオン。