陰鬱

考えたこと,感じたこと,思ったことを書く。https://schizzoid.web.fc2.com

今回は日記みたいなものですが

今日は電車に乗ってね、東京方面じゃなくて、正反対の方に行ったのね。自分千葉県民だから、銚子の方に行ったわけ。

といっても、目的地でなにかをする意図もなく、下車するつもりもなかった。単に、ぼくは見慣れぬ景色を求めて、電車に乗って、音楽聴いて、窓に映る景色を眺めてた。

瓦でできた家々とか、一面に広がる田んぼや畑、サバンナのように光り輝く黄金の草むら、空は自分の心のうちとは相反するように、青々と光を照らしていた。そんな景色を見てね、ぼくはたまに本を読んだりしてたんだ。

最初は私と本と車両と田園風景全てをひっくるめてエモいと感傷に浸ってた。でも、段々と乗客が降りていってね、ついぞ一人になったときね、もうエモさなんか忘れてね、ただただ虚しく感じた。

空はこんなにも青く晴れていて、社会の喧騒も眼中にないような自然を目の当たりにしてね、それらに包み込まれて僕の辛い感情を昇華してくれると期待したけど、結局ぼくはそういった無為自然の憧憬を求めていたのではなくてね、ただ単に人肌恋しいだけ、人との触れ合いが欲しいだけなんだと知った。

それもそのはず、大学もコロナで延期して、僕にはまた時間と人間関係への解放とゆとりが増えたわけだけど、そんなものより、僕はただ他愛ない話のできる、現実の人間が欲しいだけだった。

そんなことを諭すような望郷を後にして、僕は帰りの電車に乗る。行きは気持ちよかったけど、もう惨めさしか残っていなかった。こんな人のいないところに一人行って、なにがしたかったのだろう。ぼくは一人でなにしにきたのだろう。無慈悲な問答が頭の中をぐるぐると駆け巡り、言葉にできぬ苦悩と葛藤は、車内の空気と溶け込みあい、僕はその中を座席に座りながらも、心は車内を浮遊して、そして、下降して沈殿する。その流れの如く、ぼくの気分は下がってゆき、家に帰ってぼくは泣いた。寂しくて寂しくて仕方ない日は幾度もあったけど、それで感極まって泣いてしまうのは初めてだった。自分の部屋に還ると、あまりにも惨い現実が待っている。ぼくは結局一人ぼっちだという現実が、妄想の世界から僕を引きずり出す。そして、ぼくがしくしくと泣いていると、現実はぼくをじっと凝視して、黙っているのだ。妄想の世界からオサラバして、現実を打ち倒してみたいものだけど、今の僕にはその余力もついぞ無くなってきた。心が壊れ始めた。