陰鬱

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コロナでわかる神経症度合い

コロナウィルス(COVID-19)で世間が騒がれている今日この頃。マスクの有効性についても議論の余地があり、もはや家に引きこもらない限り、我々はいつ何時に感染してもおかしくない。

ネットの反応や家族の様子を見ていると、明らかにウィルスへの心配度合いが違う。

例えば、私の母はワイドショーでコロナウィルスの劇的な流行具合を見たところで、大して心配していないようである。ショッピングモールに行っても、マスクさえしていない人間も沢山いる。(入手できないのかもしれないが、結局は早く手に入れなかった危機感のない人間ではないか)

これは俗に言う「正常性バイアス」であろう。もはや我々の身にいつパンデミックの惨劇が降り掛かってもおかしくないわけだが、そういう都合の悪い情報は無視して、「自分はどうせ大丈夫だろう」と高を括るのである。こういう人は概して危機管理が不十分である。だが、神経質には決してならないだろう。それに、本当に感染せずに済むかもしれないから、結局彼らの言い分には正当性があることになる。

一方で、「確率(現時点で0.000...%)は少ないにしても、やっぱり気をつけた方がいいんじゃないかな、もしかしたら死んじゃうんじゃないかな」なんて思う人も結構いる。マスクを常備して、外出先でも手洗いうがいをして、アルコールで丁寧に消毒する。正直、これくらい常識の範疇だと思うが、人によっては心配しすぎだと馬鹿にされる。

こういう人たちはおそらく神経症(ノイローゼ)になりやすいんだと思う。既に不安障害やうつに掛かっている人もいるのではないだろうか。

しかし、彼らもまた正しくないわけでは決してない。「抑うつリアリズム」という言葉が存在するように、神経症傾向の高い人ほど、実はこの世界を正確に把握しているのではないか。といったような、研究結果も沢山出ている。今回の状況を鑑みても、パンデミックが起きて一気に感染者が広がる可能性も十分にあるのだから。

コロナや自然災害のような一国の緊急事態に陥った時、人々がその脅威にどれほど反応し対策を講じるのか、その度合いがわかる。

そして、どちらのスタンス(事態を軽んじるか、不安になるか)を取った人間も、等しく非難できないのである。      2020/3/1