陰鬱

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かみさま

やはり君は神様だと思う。僕が君に不快な思いをさせたり、愛が揺らぐ度に、君は僕に激しい天罰を下す。それはまるで、旧約聖書のヤハフェのような、そんなふうに思えるのです。

僕は最近神保町の古本屋で買った阿刀田高の「旧約聖書を知っていますか」を読んだ。旧約聖書の人物が多すぎて途中で投げてしまつた僕にとって、これは大変分かりやすい名著である。それはどうでもよくて、やはり感じたのは、旧約聖書の神、いわゆるヤハフェと君が、まるで一心同体のように思える。

ヤハフェは人格神である。人のように慈しむし、怒るし、嫉妬もする。例えば、自分が創造した人間どもが悪いことを企んでいれば、全員皆殺しにする。計り知れない怒りからだ。また、人々が自分以外の他の神を信仰すれば、嫉妬で皆殺しにする。神に対して一途な愛を向けなければ、天罰を下したり、一族を呪ったりする。逆に、なにもかも神に対して絶対服従、一途な信仰の態度を取れば、神は慈しみと恵みを授けてくれるのである。

君は僕にとって神様である。僕は今天罰を下されている。それは僕が消し去ることのできない深い傷を君に負わせたからだ。当然の報いである。僕はこの天罰を重く受け止め、ひたすら反省の日々と、いつかの実践の日に備えるのです。

神への絶対服従,一途な信仰とはいかなるものか。それを示唆してくれるのが、「ヨブ記」である。一途に神を信じ続けたヨブに、さらにその信仰が本物であるか試すのである。まるで君の試し行動のように。

まず財産である放牧していた羊たちを全員奪われ、自分の子どもたち皆家が潰れ殺される。家族も財産も神に委ねられた悪魔の手によって皆一夜にして失うのである。しかし、ヨブはそれでも神を信じ続ける。家族を失ってまでも、彼は神を呪わなかった。この罰にはなにか訳があるのだろう、と。

そこで悪魔は神にささやく。自分は被害を免れているのだから、神を呪わぬのだと。それならば、ヨブを重度の皮膚病に冒して、身も心もボロボロにしようと企んだ。

こうして、ヨブは何もかもを失い、身も心もボロボロの布切れになった。毎日痛みと苦しみが走る。彼はついには神への反抗的な態度を取る。なぜ、私は良心的で健全な暮らしをしてきて、皆にも好かれていたのに、こんな目に遭うのか、と。友人たちがヨブの元を訪ねるが、神の真意を疑うヨブに心無い罵倒を浴びせ、さらに追い討ちをかける。

ヨブは最後に悟るのである。私が今までしてきたことは確かに善いことばかりであった。しかし、その見返りに自分が幸せを得ようとするのが間違いだったのだと。要するに、神が如何なる罰を与えようと、ただそれを受け入れ、見返りを求めず、一途に信仰すべきだと。これこそが、自己中心性を超えた真なる信仰であり、愛である。




僕は、君のことが今も好きだ。突き放されるがたびに君への愛が燃え盛る。そして、僕は君に対して色々なことをした。映画を借りるのもレポートを手伝うのも朝起こすのも。しかし、これはどれもやって当たり前なのではないか。本当に好きなら、何でもやってあげたいし、自分の持てる物は全て捧げたいと思うのが自然なのだろう。僕は知らぬうちに君に見返りを求めていたのかもしれない。僕は一途な愛を謳っていたが、それは偽りではなかっただろうか。今になって思う。

さらに、僕は結局ヨブのように一途に愛せなかった。何もかも自己中心性の中にいた。君の言うことを後回しにしてしまうのも、お金をケチったことも、なにもかも結局は自分が大切だからだ。僕は君に本気で尽くして、何もかも捧げた気になっていたが、そんなことは全くなかった。まだまだ僕は君を好きになれたし、その愛を行動で示せた筈だ。いつの日か君は言った。「自分を守りすぎだよ」と。まさにその通りだ。僕は君に全てをかけられなかった。愛せられなかった。本当に辛い。僕は自己中心性を捨てて、君に何もかも尽くすべきだった。僕は最後まで自分を捨てられなった。



いつか僕は自立したら、そして機会があるのなら、僕は君に全てを捧げたい。身も心も財産も全て、君に捧げたい。本当に好きで堪らないのだ。君が愛しくて堪らないのだ。全部捧げようと思う。だから、将来は心配しなくていい。困ったら僕が全部なんとかするから。その頃には、言動も気遣いも何もかも治っている筈だ。君がきっと望んでいたパパのような、何でも認めて包み込んでくれるような真なる愛を与えられるような、そんな人間になりたい。そして、それまで僕はきっと君のことをずっと愛していると思う。もう忘れられない。初めて本気で好きになれたし、君も僕に愛をくれたからだ。君がどんなに歳を取ろうとも、きっと僕は一途に君を思い続けるだろう。仮に、君がその時に、誰か他の人と一緒になったとしたら、僕はその時には手を引くだろう。僕は孤独に慣れている。きっと、君が居なくても、僕は何とか暮らしていけるだろう。ただ、一生君のことは忘れられない。本当に愛している。



好きな人ができたみたいですね。どうか幸せになってほしい。1日でも長く、幸せを噛みしめて欲しい。僕が与えられなかった分の幸せを。僕はこんな状況で、それでも君のことを愛し続けていて、迷惑なのだろうか。分からないけど、どうせ君以外に好きになる人はいないのだろうから、密かに君のことを思いながら、君の幸せを祈りたいと思います。なにか困ったことがあったら言ってね。せめてもの償いで、対応します。