陰鬱

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死にたがりくん

なんとなく、彼が今の状況から脱する方法が見えてきた。
まず、過去のいじめに関するトラウマだが、フラッシュバックが起きるPTSDのような重度のストレス障害ではないと思われる。たびたび過去のことを振り返ってしまうことはあるのだろうけど、多分彼なりには折り合いをつけ始めている。自分が悪くて虐められた訳でもないし、あれは学校という閉鎖的かつ異質な空間での出来事に過ぎないと理解はしているようだ。それにもう4、5年も過去と向き合ってきたのである。洞察に富んだ彼は、そろそろ未来へと羽ばたく時がきている。いつまでも過去に執着していると、なかなか前へ進めない。精神分析以外の流派は総じて、“今”を重視する。
では、今後どう対処するか。要するに、過去のトラウマ自体は変えることができない。ならば、それに対する意味づけや考え方を変える必要がある。「自分が悪くて、虐められたのではない」「もう学校のような場に行くこともない」といった感じで。
そして、「いじめられて人間関係を上手く構築できなかった自分でも、上手くやれるんだ」という経験を重ねていく時期が来た。情動修正体験というか、認知行動療法というか。要するに、彼は「自分は学校で上手く適応できなかったから、他の場所でも上手く人と関われないだろう」と思い込んでいるのである。無論、それは正しいのだが、そう思っていては前に進めない。実際に人と関わる体験を重ねていく中で、そういった非合理的な信念を修正していく必要がある。経験主義である。その実践の場として、これからフリースクールに通うつもりでいる。そこで、「やっぱり自分上手くいけるじゃん!」という経験を重ねれば、自己効力感を高め、自ずと過去に執着することも無くなるだろう。正直、家にいてやることもないから、過去のことや自分のことばかり考えてしまう。定期的に通う居場所があることで、そういった考え過ぎてしまう強迫的な思考から逃れられることができる。
ただ、まだ動くこともままならないし、未だに「死にたい」を連呼している状態なので、焦りは禁物。軽い抑うつ状態であると思われる。母親がうつ病の罹患歴があり、自死も遂げているので、遺伝しているようであるから、相当慎重にことを進める必要がある。しかし、これ以上家にいると腐ってしまうと言うのだから、やはり動いた方が良いと思われる。十分休息は取っただろう。彼がフリースクールに連絡することすらしたくないと言うので、僕が代わりに連絡をして、今週木曜に見学の予約を入れたが、当日の状況を見て、無理そうだったら断るしかない。見学は暫くの間、僕が同行し、なるべく彼が安心してその場に適応できるよう、努力しなければならない。
まぁ端的に言えば、これ以上過去のトラウマに囚われる必要はないと判断した。そういった葛藤は、今後の心理劇(サイコドラマ)などで昇華していく。それと同時に、人と関われるじゃん!という経験を増やして、彼の非合理的な信念をぶち壊し、概して引きこもりがちである通信高生の彼に居場所を提供すると同時に、過去に囚われず、前を見据えられるようになってほしい。今日も「もう過去に囚われる必要はない」と口々に言っていたように、彼自身も過去との決別に対して、肯定的であった。
まぁ、思うことは、フリースクールのようなサードスペース(学校・会社以外の場所)が、あまりにも少ないということ。どこにも属せず、寂しい思いをしている不登校児や通信高生の如何に多いことやら。
あと、彼は家での過ごし方がヘタッピさ!本も読まないし、ゲームもしない。こりゃあいかん。せっかくかわいい弟がおるのだから、一緒にゲームをやってあげればいいのに。僕がマリカやってあげてちゃダメなんだよぉ。俺が今頃最近ハマっている第五人格もやればええんとちゃうか。あと、気難しい本ばかり読むのもあかんよ。哲学書とか自己啓発書なんかNGさ。もっと小説を読むべきだよ。あと、ネチョネチョする布団と、くっさい部屋もいかん。あれじゃあ頭が痛くなる。掃除してもしても汚くなるからお手上げ。なんかダンゴムシの長いバージョンみたいな虫もいるしさ。